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「…できるわけがない」
わ、と言い終わると同時に影が動いた。二人の間にある机を軽く飛び越え、およそありえない速さで近づいてくる。きっと普通の人間ならば、その者が近付いてきたことにすら気付かず、自分が死んだことを自覚する余裕すら与えられないだろう。
―だが、この少女は普通ではなかった。
「ハァ…だからムリだって…」
少女は、自分に向かって真っ直ぐに突き進んでくる、その影の腕を掴んで、梃子の原理を用いて、その体を放り投げた。
「…!?」
驚いている隙に、その者が持っていたナイフを奪い、それを喉元へ突きつける
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