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日本神話では日本を創造した神は伊佐那岐の命(イザナキノミコト)と伊佐那美の命(イザナミノミコト)と言われています。
「十握剣」は男神、伊佐那岐の愛用剣でした。その形状は持ち手の部分が握りこぶしの十個分程の長さでその威容から「十握剣(トツカノツルギ)」と名付けられた様です。
当時、鉄が無かった為青銅製の剣であった様ですが神の力が加えられたその剣は鋭い切れ味と邪を寄せ付けない威光を放っていました。
仲睦まじい伊佐那岐と伊佐那美は数々の土地神、精霊神を誕生させましたがある日、火の神を誕生させた伊佐那美はその炎に巻かれてで焼け死んでしまいました。
悲しんだ伊佐那岐は黄泉の国へと伊佐那美を迎えに行きましたが、逆に黄泉へ落とされそうになり、その窮地を救ったのが「十握剣」でした。襲ってくる亡者を十握剣が追い払いやっとの事で生者の国に帰還。
結果、生者の国を伊佐那岐が、黄泉の国を伊佐那美が治める事になりました。
疲れきった伊佐那岐は今後の治世を天照、月読、須佐乃王の三神に任せ隠遁「十握剣」は須佐乃王に託し、須佐乃王はその剣で八俣大蛇を退治しました。
以後「十握剣」は歴史から消えましたが、現在須佐乃王の妻、櫛名田姫の末裔が所有し鳳龍寺に治めています。
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