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呪佐七郎丸興胤(ジュサシチロウマルオキタネ)
呪佐七郎丸興胤は平安時代の刀工世阿弥七郎丸(ゼアミシチロウマル)の最後の作品。
日本刀の名鑑定家である世阿弥家から初めて刀工が出たと言うこともあり、七郎丸はナリモノ入りで華々しくデビュー。時代背景上実用性よりも美しさを特化した七郎丸の刀は細かい装飾や豪華絢爛な鞘・柄が公家達には大人気✨一世を風靡した。
しかしながら、その成功を妬む者から嫌がらせを受け遂には利き手の右腕を斬られてしまい刀鍛冶が出来なくなってしまう。
絶望した七郎丸は己の左腕だけで、3年の歳月を掛けて呪佐七郎丸を完成させる。憎悪と絶望にまみれたその刀は妖刀となり、使用者を惨劇の渦へといざなった。
時代は鎌倉幕府となり七郎丸は死去、世阿弥家も七郎丸の死を悼み刀稼業から遠ざかった。
ある日妖刀呪佐七郎丸にとり憑かれた素浪人を鳳龍寺の当時の住職鳳龍寺興胤が世話をする事になる。両腕を無くしながらも呪佐七郎丸を離そうとしない素浪人から七郎丸を離し、面倒を見て坊主として傍らに置く。
素浪人は心を取り戻し生涯興胤の弟子として生き、呪佐七郎丸は神聖な鳳龍寺で鳳龍寺興胤の愛に包まれ呪力を失った。
現在は鳳龍寺の奥深くに眠っている。
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