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scene1
ここは氷と雪に閉ざされた山奥にある木造ロッジ。
ロッジの室内では暖炉にくべられた薪が炎に燻され、バチバチと弾ぜる音を響かせていた。
外の寒さが嘘のように暖められた室内では、『里香』という名の金髪の少女がソファにゆったりと座ってコーヒーを啜っている。
「…今日はクリスマスね…。」
コーヒーカップを片手にぽつりと呟く里香の隣に、カラフルな色彩が自慢の『ブロック』がドカリと座り、
「…ついにこの山小屋ともおさらばかぁ。里香はどこに配属されるんだ?」
「…日本に決まってんでしょう?アンタは?」
「俺は風車とチューリップの国、オランダだ。」
二人が会話をしていると、細長い身体が特徴の『トマス』が、ため息をつきながら憂欝な表情を浮かべて室内へ入ってきた。
「はぁ~。困った。どうしよう…。逃げちゃおうかなぁ…。」
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