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68件目。
純子ちゃんの家は…ここ、か…。
もう体力の限界だった。
警察に泥棒と勘違いされ、変な若者に追いかけ回され、プレゼントを配りに行った家の飼い犬に吠えられ……なんとかプレゼントは死守したものの、もう心も体もボロボロだった。
ソリとトナカイがなければ、サンタなんてこんなものなのかもしれない。
まだまだ袋には多くのプレゼントが残っている。
……プレゼントを配るの…やめてしまおうか。
どうせ、時間もあまりない。
『サンタなんか空想の産物』
そんな考えが広まっているのは知っていた。
それにしても、酷すぎる扱い。
雪の降る寒い夜なんかよりも、人の心の方が冷たく感じた。
……ああ、なんだか…意識が……。
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