プロローグ

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プロローグ

一人の女性が椅子に座って紅茶を飲んでいるもう一人の女性に向かって話している。 「会長、本当ですか!?今年の入試で全教科百点の生徒が出たって!?」 「そんなに慌てないで眞澄、私もあなたも採れたんですから出てもおかしくないでしょう?」 「それは会長が頭がいいからでしょう、去年もその前も出てないんですよ!それに去年より問題のレベルを上げてあります!」 会長と呼ばれた女性は、「まぁそうなの」とあまり驚いていない様子だった。 その机にはその学生の受験票と推薦状があった。 受験票の氏名欄には… 町外れの公園に制服姿の学生が覆い被さるように倒れている 「つ、強い…なんなんだこいつは…」 その倒れている学生の前には、ベンチに座り本を読んでいる男の子が座っている。 学生服を着てなければ女の子と間違えるぐらいの容姿。 だがその顔には血がついている。 もちろん彼の血ではない。 彼の目の前で倒れている他校の生徒のものだ。 「僕の読書の邪魔をした報いだよ」 と言いながらパタリと本を閉じて立ち上がった。 すると不良の一人が思い出すかのように呟いた。 「聞いたことがある。女みたいな顔してめちゃくちゃケンカの強い奴がいる。たしか、そいつの名前は…」 「「葛城天」」
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