第2章

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それから僕の高校生活の2/3を女装して過ごすかわりに、学費免除という話を用いられた事(多分、親に話したら是非やってくれと言われるだろう) それから生徒会の会議に参加した事。 あ、そういえば報酬のご飯を貰うの忘れてた。 そんなことを考えていると、酔っ払いが女子高生に絡んでいた。 よく見ると絡まれている女子高生は涼風学園の制服だった。 普通なら関わりたくないから、見て見ぬふりをするのだが、同じ学園に通う者として助けない訳にはいかないと思った(僕は変な所で正義感が強かったりする) 僕は酔っ払いの手を取り「やめなよ」と言った。 「なんだてめぇは邪魔すると℃¥$%♀♂」 もはや最後の方は聞き取れなかった。 酔っ払いは殴りかかってきた。 僕はそのパンチを避け後ろに回り込み、そのままチョークスリーパーを掛けた。 こういう時に身体が小さくて得したなと思うのがなんだか哀しい。 その内に酔っ払いは泡を噴いて失神した。 そうこうしている内に駅員がやってきた。 「ちょっと遅かったね」 僕がそう言うと駅員は苦笑いをして、気絶をした酔っ払いをおぶって次の駅に降りていった。 「じゃあ後から駅長室まで来てくださいね」そう言うともう一人の駅員が言ってきた。 僕は被害者の女の子、近くで見ていたリーマンやおばさんと駅長室まで行って調書を書くように言われた。 「それじゃあ僕はバイトがあるから」 と言って調書をちゃっちゃっと書いて帰る準備を始めた。 僕は人に感謝されるのは照れくさいから苦手だ。 だから今まで人を助ける時はすぐに帰るのだが、自分の駅までまだ時間があったのと、おばさん達に腕を引かれ駅長室まで連れて来られたのだった。 僕はまだバイトこそしていないが、涼風学園の寮で一人暮らしをする約束になっていた。 今日がその入寮日だ。 「あ、あの…」 後ろから呼び止められた。 そこには、酔っ払いに絡まれていた女の子がいた。 「なんでしょうか?」 僕が聞き返すと、彼女はもじもじしている。 「あ、ありがとうございます」 「大したことはしてませんよ」 「で、でも私…何かお礼を…」
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