第2章

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「別にお礼なんていいですよ。それより早く帰らないと親が心配しますよ」 そう言うと彼女は時計を見て急いで帰る準備をしていた。 そして、僕の前で一礼をし、走って帰って行った。 「さてと、僕も帰るとするか」 当然、独り言だ。 僕はカバンを持ち、電車に乗った。 「上川~上川~」 僕の降りる駅だ。 学校の最寄駅から5分という近場だが、駅からアパートまで自転車でも15分も掛かってしまう中途半端な遠さだ。 もしかしたら自転車で直接学校に行った方が早いんじゃないかと思いながらも自転車を漕ぎ続ける。 途中にあるコンビニで夜食代わりの弁当を買い、家路に就いた。 「部屋番号は…と、あ、ここだな。ただいまっと」 誰もいるはずのない部屋に挨拶をする。 「やあ、おかえり。遅かったね」 「えっ!!なんで先輩がここにいるんですか?!」 そこには何故か白河先輩が座っていた。 「意外と遅かったが、何かあったのか?」 「そんなことよりなんで先輩が僕の部屋にいるんですか!?」 「ここは我が学園の寮の1つだよ。君の寮も我々が決めたのだ」 「だからと言って、先輩がここにいると言う理由にはなりません!」 「人の話は最後まで聞くものだよ。葛城君」そう言うと先輩は僕の頭をコツリと叩いた。 「私はこの寮の寮長だと言うことだよ」
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