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「おまえのせいで入学式は台なしになりそうなんだ!どうしてくれるんだ!ん?おまえよくみたら背格好が会長に似てるな。顔もよくみたら女顔だし」
「小柄なのはともかく顔のことはほっといてください」
僕は昔から体は小柄で女顔をしているからよくからかわれていた。
「まあいい、ちょっと来い!」
「え、あっ、ええ!?」
僕は副会長さんに手を引かれて更衣室に連れてこられた。そして、女性物の制服を渡され「これに着替えろ」と言われた。
「なんで僕がこんな格好しなきゃいけないんですか?」
「誰のせいでこんなことになってると思ってるんだ!」
「だからといって僕は関係ないですよね?」
「大ありなんだよ。つべこべ言わずにさっさと着替えろ!」
僕は渋々着替えた。鏡を見た僕は意外と似合っている自分にやや照れながらも首を振り自覚を取り戻した。
「これでいいんですか?」
僕はカーテンを開けて副会長に聞いた。
「うん。似合っているじゃないか。あとはこれをかぶせて…と。うん完璧だ」
そう言われて鏡を見るとそこにはなんと僕がさっきぶつかった綺麗な女性になった僕が立っていた。
「これって…」
「我らが涼風学園生徒会会長、宮上麗華様の代役をやってもらう」「えー」と僕が叫んでいるとまた一人、女の人が入ってきた。
「あら白河さん会長はみつかったんですか?」
「夏美か。会長はみつからなかったが、会長の代わりをみつけた」
「ふ~ん。そうなんですか。これはそっくりですわね。あとはお化粧だけですか?」
「あぁ、だから今呼ぼうとしていたところだ」
「あっどうも」
「あら、この方は男性ですの?てっきり生徒の中から誰か連れてきたのかと思いましたわ」
「僕、なんで入学早々、こんなことしなくちゃいけないんですか?」
「えっあなた一年生ですの?男性にしては小柄で女顔だなんて珍しいですわね」
僕は泣きながら「だから顔のことは言わないでください」と言った。
「ほら泣かないでくださいませんか、お化粧ができませんわ」
僕は涙を拭きもうこの人達からは逃げられない、覚悟を決めようと思いました。
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