脱走

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俺はハッとした。 俺が大怪我をした理由。 …俺は暗鬼の下から逃げて来たんだ…。 朝起きたら、鎖が外れていた。 更に、扉の鍵も外れていた。 だから俺は部屋を飛び出した。 …途中、何度も暗鬼の手下に見つかり、捕まえられかけた。 それだけじゃなく、殺されかけもした。 そして怪我を負って…。 それでも、俺は逃げた…。 必死だったからか、逃げている時の事はあまり覚えていなかった。 …逃げ出せたけれど、暗鬼はきっと俺を探すはず。 ここには、いられない。 「助けてくれて、ありがとう。 俺は、もう行くから…。」 そう言って立ち上がると、全身に物凄い痛みが走り、俺は倒れ込んだ。 「大丈夫ですか!?」 青年は俺に駆け寄ってきた。 「こんな体で、どこへ行こうと言うんです…?」 「俺は、追われてる…。 ここには、いられない。」
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