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俺が暗鬼に連れられて、またあの建物に戻る。
俺が監禁されていた場所に。
でも、俺が連れて行かれた部屋は、今まで監禁されていた部屋とは違った。
床に敷かれた絨毯。
大きなダブルベッド。
お洒落な机とソファーも置いてある。
まるでホテルの一室みたいだ。
この建物の中にも、こんな立派な部屋があったのかと、少し感心した。
「驚いたか…?」
暗鬼は俺の横で相変わらず笑っている。
「ここは、私の部屋だ。
お前も今日から、ここで生活する事になる。」
「え…。」
なんでだ…?
今までずっと、俺を監禁してきたくせに。
いきなり、どうしたんだ?
「…私とお前は、今は同志。
この世界の崩壊を望む…、な。」
…そうか。
俺も、今は。
暗鬼と同じ。
今まで必死で否定し続けていたのに。
…自分でも、人間って脆いって思う。
本当に下らないものだって、思う。
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