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病室を出た亜美はただまっすぐ前を見て歩いた。
玄関を出た所で
力尽きたように
座りこむ。
『亜美っ…なんで本当の事言わないの?
亜美は陸の彼女なんだよ?』
そう言う奈央に
『…陸の…陸の負担になりたくない…。
記憶もないのに彼女だよって言って何になるの?
だけど…陸の頭から亜美の存在が消えたままはどうしても嫌だった!例えマネージャーでも…』
こんな時でも亜美は陸の気持ちを一番に考えるんだね…。
『バカだよ。亜美…』
『…っく…奈央ぉ…』
奈央にしがみついて泣く亜美。
『…なんでこんなことに…。』
寂しく呟く奈央の声と亜美のすすり泣く声だけが静かに響いた。
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