カフカ

齋藤君

「何があったんだよ」と質問すると、もういいんだよと言っていた割には長々と状況を話した。

どーやら、好きな娘に告白したらフられたらしい。その相手は美希ちゃんだそうだ。馬鹿め。俺の美希に手を出すからだ。
そりゃフるよこんな男。ギャーギャー言うだけで、上辺だけの笑いしか作り出せないんだもの。
「齋藤殿をフるなんてねー。惜しい事したよねー。駄目な理由聞いた？」
「うん、絶対嫌って言われた。三回」
美希ちゃんわかるよ。その気持ち。

この後も少し話したが、やっぱり期待していた程面白くなかったから割愛するけど、最後は「ありがとカフカ」なんつってお礼を言われた。
くそぅ。なんでお礼言われてんだよ。やっぱり彼とは馬が合わない。のれんに腕押しとはこの事だ。皮肉を言っても全く通じない。
もういいや。帰ろ。