GLAYのタクローと過ごした日々

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サイコーだった! 全校生徒が見守る中、俺は、いつにもなく超ノリだった! 気がつくと、さっきまで静かだった会場が、俺以上にヒートアップしてた! 学校のファンクラブの奴らが、前に来て、泣きながら声援を送ってくれた! もう二度と訪れることのねーこの瞬間! 目を見ただけで、タクローの気持ちがわかった! 俺とタクローは、心で会話した! 「藤城さん、今までありがとうございました!」 タクローがそう言ってるような気がした。 「タクロー!ぜってーメジャーデビューしろよ!俺は、いつまでもオマエのファンだからな!」 俺は、心の声でそう言った! タクローは、大きく頷いた。 いよいよ、曲もラストにさしかかった! 俺は、もう声が出ないほど、叫びまくってた。 その時だった! 色んなことを思い出してると、突然、俺の目から、涙が溢れてきたんだ! (やべー!俺、何で泣いてんだ?) 俺は、みんなに悟られるのが、嫌だった! よーし、もう、こうなったら、飛ぶしかねー! ステージからは、照明のせいで、下が全く見えなかった! だけど、超ノリの俺には、そんなことは関係なかった! 怪我するかも? 一瞬、俺の頭をよぎったが、それもすぐに消えた! 「行くぜー!」そう叫び、俺は飛んだ! 時が止まったように感じた! 宙にいる時間がやたらと長かった! そして、俺は着地した! グニュ!ガッシャーン! 鈍い感触の後、何かが倒れる音がした! やっちまったかー? そう思った時、誰かが俺に話しかけた! 「やっぱり、やると思ったぜー!」 ダチだった! 見ると、俺の周りにダチが5人もいた! そのうち、3人は倒れていた! 慌てて、俺は声をかけた! 「おい!オマエら、大丈夫かー?」 俺の声に、みんな立ち上がった! 「余裕!」 「全然、平気だよ!」 「雅哉こそ、大丈夫か?」 俺は、満面の笑みを浮かべて言った! 「バカヤロー!俺を誰だと思ってんだよ!」 そして、俺はこう言った! 「サンクス!」 余談だが、俺のサンクス!は、この日から始まったんだ。
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