もうすぐX'mas☆

2/7
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
      「優亜(ゆあ)~!」       着替えてる優を呼ぶ店長の声。 「はいっ?」 着替えもそこそこに少し刺のある声でそれに答える。       「着替え中だったか。悪かったな。お前、今年はシングルクリスマスか?」       「そうですよ!それが何か!?」       余計なお世話!と少しキレ気味に吐き捨てた。       「じゃあ、優亜は出勤確定な。」       「わっかんないよ?クリスマスまでに彼氏できちゃうかもしれないしぃ」 盛大にあっかんべーをしながら更衣室に戻る。 そんな優を見ながら(こりゃ、まだまだ先の話だな)と口の端をあげる。       「出勤したらケーキくらい買ってやるから」       「本当!?」       目をキラキラさせて食いつく優。       (…本当、扱いやすい奴。) くすりと笑みがこぼれる。       「っていうか、店長こそシングル・クリスマスなんじゃないですか?」       うりうりと肘で背中をこづく。       「残念だが、クリスマスは稼ぎ時だからな」       「クリスマス出勤できる奴は当日と今から飯おごっちゃる」       「やったぁ」       無邪気に跳びはねる優。       「愛子も出勤するよね?」       愛子と呼ばれた女の子は優が今、お店で1番仲のいい友達。       「…うん」       「あっ!でも愛子は彼氏いたよね…いいの?」       愛子の表情が一瞬強張る。       (やば…地雷踏んだ!?)       と一瞬焦ったが、予想外に愛子はにっこりと笑って       「いいの。私もシングルベルになると思うから。」       とこともなげにさらっと答えた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!