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「いらっしゃいませー」 愛想よく挨拶をする。 頭にはサンタの帽子。 今年の終わりも近い今日この頃。 俺こと、『楠木 大樹(クスノギ タイキ)』は今日もバイトである。 「あ~あ、今日はバイトの日じゃなかったのに……」 今日はシフト表には×が付いていた。 しかし、 後輩が風邪をひいてしまい、頼まれたのでしょうがなく引き受けてしまった。 「ったく、どこまでお人好しなんだ?おれって……」 と、自分自身を鼻で笑ってしまう……。 そんなこんなで、今更後悔なんかをしていると、 「『くすっち』、しっかりやってよ!!じゃないと、クリスマスボーナスを減らしちゃうよ?」 と、笑い半分、本気半分で店長の突っ込みが入った。 店長の名は『小此木 綾香(オコノギ アヤカ)』実はこの人は二十歳にして、このコンビニの店長である。 本人いわく、 『バイトしてたらなれた』 だ、そうだ。 「て、店長やってますって(; ̄Д ̄)」 「ほんとかにゃ~??」 と、可愛く疑う店長。 ちなみに、店長目当てでこのコンビニを利用する野郎は少なくない。 「くすっち、そろそろ上がりの時間だね。」 と、店長は時計を見ながら言った。 「ソウッスか、じゃあ、店内掃除したら上がります。」 「了解('◇')ゞ」 と、そんなやり取りをしてから、掃除をし、帰宅の準備をする。 「じゃあ、店長、お疲れっした!」 と、挨拶をする。 すると、 「ちょっと、『くすっち』って呼んでるんだから、私のことも『あやっち』って、呼んでよね!(`ε´)」 と、店長に怒られる。 「はは、そんなのは彼氏に言わせてください。じゃあ、お疲れっした!」 と、コンビニを後にする大樹。 「もう……そうじゃないのに」 と、店長は呟いた。
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