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その日から、私と彼(タク)とケンジの変な関係は始まった。
……朝のバスの中、クラスメートがいるときは、彼も名前を呼ばない。
そして、ケンジがいてもオイッとかがほとんどだった。
あの昨日の「まゆ」と呼んだ彼は、どこぞへ消え去った……?という感じだ。
………一日が過ぎ、彼らは野球をしている。
やはり、日課みたいになっていた以上、また窓からそんな彼を見つめてしまう……。
「カッコイイなぁ。」
思わず声に出てしまった。まぁ、誰にも聞かれてないはずだから………
聞かれてないはずなのに、聞いていたヤツがいた。
……………ケンジだ。
「こうやって、見惚れてたんだね~~~」
「え?あっ、なんで…」
「今日は呼び出されたの。阿呆だから。タクみたいに出来ないからさ」
彼は、確か成績も優秀だった………。
と、ボールを拾いに彼が近くに来た。
「ケンジ、何してんだ。早く来いよ。」
私ではなく、ケンジを野球に誘う。もちろんではあるが……
「今行く。」
ケンジが部屋を出ると同時くらいだった。
「まゆ、帰り待ってろよ。」
…………うなづくしかできなかった。あまりにも突然で………
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