過去の愛

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協力………してもらえるとはいえ、何をどうされるのやら…… 女友達なら、彼のこと話してキャーきゃー言えるのに……… 悩んでる私をよそに、彼の友人は彼と帰りを誘ってくれた。 「そういやぁ、なんて呼ばれたいんだ?」 へっ?っと返事しそうになった。  そういえば、彼にはいつもオイッとかだったし……名前なんて呼ばれたら………ドキドキしながら壊れそう……。 「名前くらいで思考回路止めるな」 協力してやるっていうのは、嘘ではないらしい……。私が返事に困ってるうちに、彼にフォローしてくれていた。 「こいつの名前、知らなかったのかよ~」 「ケンジ、お前も知らないだろうが?」 「聞いたら呼ばなきゃなぁ?」 「呼ぶために聞くんだろうが。」 彼の友人(ケンジ)は、ニヤッと笑いながら話続けている。 「タクが、女に名前聞くとこ見たのは、初めてだわ……」 彼(タク)は、確かに聞かない……。というより、こんな風に話をしてるとこすらない。 「………まゆ……だよ」 小さい声で言ってみると、彼はちゃんと聞いていた。 「まゆ。でいいか?」 彼の低い声が、私を呼ぶ。。。
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