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ここは、のどかな山間が見え 工場地帯が広がる町…川越市。
3DKのマンションに1つの家族が住んでいる…
「お帰りなさい。」
由美は、夜勤明けの旦那様を迎える。
旦那の名前は「宏志」
3交代制の工場に勤める、由美より3つ年下の旦那様。
「僕ちゃん、起きてたのか?」
由美の腕のなかには、生後6ヶ月の息子が笑顔でパパを出迎えてます。
そう。由美は3人家族。
由美は四年前この川越市に嫁いできた。由美が産まれ育った所は川越市と違い、ネオンの街であり県庁所在地でもある松江市。
飲み屋街は町のように凝縮され、人々が賑わう町である。
早く言えば、由美は都会から田舎に嫁いできたのだ。
宏志の両親は健在で、由美達家族が住むマンションのまん前に住んでいる。
いえば、宏志の両親が住む実家の前にマンションがあり…孫が産まれたのをきっかけに由美達は引っ越してきたのだ。
スープが冷めない距離~とよく言うが、まぁこんなに都合の良い場所があったものだ。
スープが冷めるどころが、かき氷さえ溶けない距離だ。
宏志の実家から由美達の部屋は丸見えで、ベランダの洗濯物も丸分かり。
そのかわり、由美達の部屋から実家も丸見え。
誰の車が無いから出掛けてるとか分かってしまう。
あっ!そうだ。肝心な人を忘れていた。
宏志には2つ下の妹がいて、まだ結婚していないため実家に住んでいる。
由美はこの環境の中で、毎日を過ごしている。出産してから、専業主婦として家事をこなし育児に奮闘している。
由美は高齢出産で、36歳になる少し前だった。
だから現在は36歳と言うことになる。
この年で初めての出産。
年下の旦那様や、旦那の両親や妹とも仲良く楽しく過ごしている。
なんとも絵にしたような幸せ者。
だが、由美には隠された人生があった。
誰も全てを知らない。
それは…………
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