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百合子と健が結婚したのは、由美が二歳の時だった。
それから三年後…百合子は男の子を出産する。
由美が五歳。
弟ができたのだ。
健は由美を連れて産婦人科へ。ベビールームに沢山の赤ちゃんが並んでいる。
由美は小さくて覗くこともできない。
健は由美を抱え上げ
「右から2番目のお猿さんみたいなのが、弟だよ」
由美は笑顔ではしゃいで喜んだ。
弟の名は「孝志」
百合子退院。
百合子は一代決心をしていたのだ。
ある夕方。
健は店に出勤していた。
百合子は由美を膝のうえに乗せてこう言った。
「由美ちゃん。パパは由美ちゃんの本当のパパじゃないのよ…でもね、孝志とは同じママのお腹から産まれてきたんだからね★姉弟仲良くするのよ。」
由美は小さいながら、しっかり話を聞いたが
その後の記憶が無かった…
その夜中…健は仕事を終え帰宅。
いつものように由美を抱き抱え「ただいま★」
百合子も由美に微笑んでいた。
しかし。由美は突然叫んだ!
「おじちゃん!おじちゃん!由美のパパじゃない!」と健の胸元を叩きながら叫んだ。
健は黙って泣きながら由美を抱き締めていた。
由美が真実を知ってからの健は変わっていく。
優しかった健は消えたのだ。
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