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はぁ……はぁ…はぁ……
何とか間に合った…。
「まったく…お前らは…毎回遅刻ギリギリなんだから、もっと早く起きたらどうだ。」
「す…すんません…」
息切れしながらも、先生に言葉を返す。
彼は本城 竜巻 (ほんじょう たつま)
なかなかダンディーで女子からも微妙に人気がある。
ちなみに、校内コーヒーが似合う先生ベスト1位を死守している。
「ほら、早く行きな。」
本城先生が校門を閉めたのを合図に、二人は歩き出した。
「由~羽~ちゃ~ん」
これまたいつものパターンだ。
学校一の情報通であり、由羽の悪友の田澤 摩里 (たざわ まさと)
会うたんびに抱きついてくる。
今回は由羽の左ストレートで撃沈。
「ふっふっふ…流石は由羽ちゃん…また攻撃力が上がっている…。お前はサОヤ人…かはぁ!!……」
摩里は後ろからの強襲で本日二度目の撃沈。
「ちょっと!!由羽様に危害を与えないでくださる!?」
金髪の彼女。
シェルト・リノワード・呉羽 (くれは)
(まぁ、みんな呉羽って呼んでるんだけど…)
大金持ちの娘である彼女は中々のプロポーションの持ち主で、学園のアイドルである。
「あっ!!呉羽!!ちょっ何してんのよ!」
用事があって少し遅れて来た葉月は、呉羽と由羽の間に割って入った。
「別に、由羽様に朝のご挨拶をしている所ですわ。 貴女には関係無いでしょう?」
呉羽は葉月に対し、ニヤッと笑いながら由羽に同意を求める。
「本当なの?!由羽!」
葉月は少し怒りながら言った。
「ん…あぁ…挨拶しただけだよ。」
この言葉が不味かった。
怒りが頂点に達した葉月は、由羽の腹に思いっきり右ストレートを放ち、自分の席に向かった。
「っ痛…なにキレてんだよ…あいつ…」
由羽は腹を抑えながら呟いた。
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