恵莉奈

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私が目を開けると、顔を覗く先輩がいた。 「・・・・・」 「な、何ですか!?」 そういうと先輩は、フッと視線を外した。 (えっ…) 「…いや、何でもない…」 先輩はポツリと漏らした。 「そ、うですか」 私はぎこちない声を出し、先輩の後ろ姿を見つめた。 「俺もぅ…駄目っ!」 「ゎ、私もムリっ」 『アハハハハハ…』 いきなり笑い出した人がいた。 声からすると怜司という人と、もう1人はわからない。 「わ、笑うんじゃねぇ!」 先輩が声を出す。 「?」 怜司は腹を抱え先輩を指差しながら笑っていた。 もう1人は、涙を拭いながら笑っていた。 「もう2人ともその位にしなさいよ」 さっきの巨乳さんが静止をかけて、やっと静かになった。 「ぁ、あの先輩…」 「んぁ何だ」 「これは一体どういう事ですか!?」 事態を飲み込めない私は、声を荒げた。 「何アンタ、話してないわけ?」 「ん、まぁ…」 はぁ、と巨乳さんは溜め息をつきこう言った。 「生徒会執行部黒鷺会はあなたを歓迎します。よろしくね、恵莉奈ちゃん」 「ほ、本当ですか!?」 と、私は先輩を見た。 「ま、まぁそういう事だ」 先輩は軽く俯き、頬を赤らめた。 「先輩大好きです!」 と嬉しさのあまり抱きつき、かくも告白をしてしまった。 「!?」 「うわー恵莉奈ちゃんって意外と大胆♪」 「あ、え!?あっ、そそそそそういう意味ではなくてですね、あのえっと」 「やっぱり奏でには勿体無いわね~」 「う、うるせー!」
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