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時刻は夜7時を回ったところだ。
私は3-Eの教室にいた。
時間も時間のため生徒は誰1人見当たらない。
暗い教室の中で机に突っ伏していた。
(・・・・・・・・)
私は窓から、暗い空を見つめている。
まるで私の心のようだ。
「はぁ…」
「はぁ…」
「…!!」
ガタンと音を立て、立ち上がる。
「いったぁー」
同時に膝をぶつけてしまった。
「…大丈夫かぁ?」
と右から声がした。
「待ちくたびれました」
と痛みを堪えながら答えた。
「はぁ…」
「先輩なら来て下さると」
私はクスクスと笑った。
「・・・・・」
どうやら機嫌を損ねてしまったらしい。
(…ヤバッ)
空気が重くのしかかる。
(…どうしよう)
私が焦っていると、
「ほら…帰るぞ」
と声が掛かった。
「ぇ…あ、はい!」
私は鞄を持ち、先輩の腕を掴んだ。
「・・・・・」
何の反応もない。
(…何だろう?ちょっぴり切ない気がするのは気のせい?)
「…行くぞ」
「はい…」
私は腕を掴んだまま3-Eを後にした。
先輩の腕に引かれるまま、暗闇の廊下を歩いた。
(あれ?玄関過ぎた…よね?)
「先輩、玄関過ぎましたけど…」
「・・・・・」
しかし、先輩は歩みを止めなかった。
(…どこに向かっているの?)
先輩、と声をかけようと顔を上げた瞬間、ボスっと背中にぶつかった。
「ぶはっ!」
私は変な声を出した。
「…着いた」
「ぇ?」
着いた場所は生徒会室の前だ。
「…入るぞ」
先輩の声と同時に、生徒会室のドアが開いた。
そして、私は中に放り込まれた。
「キャッ!」
危うく床に倒れ込みそうになった。
「先輩何す」
私の声を遮るように、生徒会室のドアが閉まった。
「ぇ…」
私は生徒会室に閉じ込められた。
(どう…して…?)
辺りは真っ暗で何も見えない。
「せ、先輩!?」
私はドアに駆け寄った。
そして廊下にいるであろう先輩に叫んだ。
「あ、開けて下さいっ!私が悪かったです!」
私は必死に懇願した。
「・・・・・」
ドアは静寂を保っている。
「…先輩…」
涙が落ちそうになったが、ぐっと堪えた。
(そうだよね…あんなこと…)
私は体育座りをした。
(先輩…怒ってた)
暗くてよくは見えなかったけど、肌でそう感じていた。
「…ぐすっ…」
私は涙が止まらなくなった。
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