2人が本棚に入れています
本棚に追加
私は暗闇の中、窓を探した。
床を這いずりながら私は窓に辿り着いた。
カーテンを開け、窓を開けた。
「ここからは、流石に出れないよね」
深いため息が漏れた。
その時、背後からガタンと音がして私は止まった。
(…何!?…)
心臓が激しく打つ。
(…怖い…)
私は振り向く事が出来なかった。
暗闇の中、誰もいない部屋…
もうアレしかない、と直感的に思った。
(…ぃ、いやっ…怖い…)
私は恐怖のあまりパニックに陥った。
窓に手をかけ、身を乗り出した。
(…逃げよう…)
(…怪我する方がまだマシ…)
私は意を決して、飛び降りた。
地面に叩き付けられるイメージが頭をよぎる。
しかし、一向に痛みはやって来なかった。
(…あれ?…)
私は恐る恐る目を開けた。
目の前には柔らかくて大きな胸があった。
「どうしたらお前の思考はそうなるんだ?」
少し怒ったような声が上から聞こえた。
「先輩…」
腕を組み、仁王立ちで君臨する先輩がいた。
「ほんっとう無茶するわね」
スッと私は立ち上げさせられ、抱きしめられた。
「…えっ!?」
私は酷く困惑した。
(だ、抱きしめられたー!!)
抱きしめた主は、
「アナタには勿体無いわ」
と先輩に言った。
「なっ!!お前には関係ないっ」
「わぁっ」
先輩は強引に私の腕を引き、自分の元に置いた。
「お前にそういう趣味があるとは…ククク」
また違う声がした。
「怜司…いい加減電気を着けてくれないか」
声の主は"怜司"というらしい。
「へいへい」
そういうと同時に、生徒会室は光に包まれた。
私は一瞬目を覆った。
(眩しいっ)
最初のコメントを投稿しよう!