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「うわあぁああぁ!!」
誰も通ってない住宅街に叫び声が響く。
里桜は驚きのあまりブランコから落ちていた。
そこにいたのは、確かに志穂だ。
小さめの身長、白い肌に少しぷっくりしたピンクい頬、サラサラのブランドロングヘアーに、やや狐目で高い鼻…間違いなく志穂なのだ。
「な、な、な…なんで!?」
里桜が志穂を指差しながら叫ぶ。
「だって、お前…」
この態度に志穂は頬を膨らませながら
「ちょっと、彼女に向かって何よその態度!!」
と怒る。
「お前…だって…」
お前は死んだはず…そんな言葉、里桜には言えなかった。
また辛くなるから‥目の前に確かにいる志穂を傷つけられないから..
「いや、何でもないけど…」
「何よ…?」
下を向く里桜に、志穂は不思議そうに尋ねる。
暫くの沈黙が訪れる。
が、それに耐えられずに顔を上げる里桜。
「それよりさ、お前も学校サボったんだろ!?今からどっか行かねー!?」
最大限の笑顔を保つ里桜。
「あ…そーだ、この前約束してた遊園地!行ってなかったもんな~。今から行かねー!?」
それに志穂は笑顔で
「行こっか。」
と答える。
「よし、じゃあ後ろ乗れ!!」
里桜が自転車に乗る。
その後ろにまたがる志穂の笑顔は寂しそうな笑顔だった..
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