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…無言のままの二人。
街の中、ただひたすらに自転車をこぐ里桜。
それに震えながらしがみつく志穂。
「寒い?」
志穂が震えているのに気付いた里桜が聞く。
「ううん。大丈夫!!里桜は?」
それに答える志穂。
が、里桜の答えは‥
「すっげー寒い..」
「あ、そう…」
里桜はこの時、目の前に志穂がいて、気が動転して自転車の後ろに乗せたが、今になって初めて思った。
…こいつ、死んだんだよね?
じゃーこいつは幽霊?
いや、それは有り得ないよな‥
けどここにいるって事は…
「里桜、信号!!」
考える里桜に志穂が叫ぶ。
「うぁ!!」
里桜が急いでブレーキをかける。
前をちゃんと見てなかった為、赤信号に気付かず、トラックにひかれそうになったのだ。
「もう!!いつも前見てないからだよ!?」
志穂が怒る。
「あはは、もう大丈夫。」
里桜は思い出した。
こんな二人の関係…
マイペースな里桜をおせっかいな志穂がフォローする。
でこぼこで、正反対な二人..
けどそれが逆にピッタリとマッチしている二人…
もう戻ってこないハズだった二人の関係‥
志穂が幽霊?
それでもいーや…
志穂が戻ってきてくれたんだから‥
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