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棚に整理してあった雑誌や大学の資料や教科書は全てバラバラに置かれている。
そして、部屋を散乱させた張本人は、買ったばかりの薄型テレビを何故か手に持ち揺らしている。
僅か数分間でこの状態にするには、かなりの能力が必要じゃないか?
そう疑問に思いながらも、俺へ応答もなく危うくテレビを落としそうになる葵。
「葵、人の話聞いてる?」
葵は手にある薄型テレビ持ったままこっちを向き、状況を理解した。
「あ…これはね、ちょっと動いたらこうなっちゃった。ごめん!」
「いや、動いただけでこうならないから。てか、テレビは戻して」
テーブルに紅茶を置くと、葵からテレビを取り上げ元に戻した。
葵は残念そうにテレビを見ながらも、テーブルの紅茶に手を伸ばした。
「ねぇ、いつからテレビって軽くなったの?あたしが居た時はこんなじゃなかった」
「つい最近かな。十五年も経てば色々変わる」
「ひぃくんも変わった?」
「…十五年前とはね」
それを聞くと、葵は黙って紅茶を飲んだ。
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