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「…ねぇ、あたしが居なくなってからひぃくんが何してたか聞いてもいい?」
葵がティーカップを置いて、いつになく真剣な眼差しを向けた。
「何って…どんな?」
「色々あるでしょ、思い出。覚えてる範囲でいいから教えて?」
そんな葵の熱意に負け、別れてからの出来事を話した。
小学校低学年から剣道をし始めて、大学まで続けていること。
中学三年生の頃に生徒会長をしたこと。
高校生活では、アルバイト漬けの毎日で思い出があまり無いこと。
覚えてる限りの全てを淡々と葵に話した。
「へぇ……あたしの知ってるひぃくんじゃないみたい。」
「そんなことないだろ?裏表は無いつもりだけど」
「いや人前に出たら、自然にそうなるかもしれないよ?」
呆れ顔で葵を見ると、舌を出し悪戯に微笑んだ。
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