0人が本棚に入れています
本棚に追加
貴方は、サンタクロースを信じますか?
その質問にいつからNOと答えるようになっただろう。
第一、二十歳になってもサンタを信じる方が可笑しい話だ。
夢はいつか覚めるものだから。
「…寒い。」
柊隼人は息を吐きながら、イルミネーションが彩る街を歩いている。
この季節は、冬の寒さとクリスマスムードが重なって、街は盛り上がっている。
この季節、というかクリスマスが彼は苦手だった。
よってクリスマスにはあまり良い思い出がない。
だが、俺は出会ってしまった。
クリスマス・イブの夜に。
これが偶然なのか必然なのか分からない。
でも、始まりはいつも突然だ。
だが、今回の始まりはあまりに突然すぎた。
突然すぎて、自分でも未だに信じられない。
誰も恋をする相手が、お伽話の住人なんて信じる筈がない。
それを信じる純粋な奴が一人でも居るなら聞いてやりたい。
『貴方はサンタクロースに恋をしたことがありますか?』
最初のコメントを投稿しよう!