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「俺の知ってる限り大学入ってからいねぇよな~」
「…いらねーな。彼女は」
彼女なんて作ってしまったら自由が無くなる。自分のスタイルを崩したくは無い。瑛はそんな俺のスタイルを知ってるのに何故か今日は食らいついてくる。
何時もなら一言「そんなもんかねー」と言うのに。
「そっか」
俯いて無言になる瑛。そして直ぐに顔を上げてニッコリと笑う。
「決めた」
「何を」
何を決めたんだか…酔っ払いは会話の脈絡が掴みづらい。
「こーし!」
「ん~?」
まぁ俺もそれなりに酔ってるけどさ。
「オィ、お前等まだ飲むのかよ」
文句を言いながら八木がビールを運んで来た。
ビールを取ろうと俺が手を伸ばして受け取ろうとした瞬間…
「俺を彼氏にする気無い?」
「へっ!?」
「なっ!?」
八木と俺の間に在ったジョッキは手をすり抜け、無残にも下に落ちてしまった。
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