八木が終わらなそうなんで

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「…こーしが好きになって全部辞めた。気付いて貰おうとアピってたけど」 こーし鈍感だから勝負に出た訳、と目を合わせて言った。恥ずかしくなる位真っ直ぐな目で。いきなり顔が熱くなるのを感じた。 …急激に火照った顔は酒のせいだと思いたい。うん多分そう、きっとそうだ。 真っ直ぐ過ぎる視線に居たたまれなくなって目を逸らした。 ここでしどろもどろになったら自己嫌悪に陥る。ドッキリとか遊び心だった場合を考えると…冷静になれ、俺。平常心、平常心。 「いや…俺男には興味…」 「俺もだけど。こーしだけ、別」 …別なんですか。切り返し早いぜ瑛… 「お待たせ~」 明るい声と共に八木がビールを運んで来た。八木の登場に少しホッとしてしまった。 「いやー悪かったな零して!あと俺今日延長だから待ってねー方がいいぞ」
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