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「じゃ、俺帰るわ。又なあき「待った」
先に帰ろうとしたら待ったの声と同時に腕が引っ張られた。
若干酔っ払てる俺は予想外の力に足元がフラつく。
「な、何瑛どーした?」
「…」
引き止めた張本人は黙ったまま。そして又どもった自分に軽く嫌悪。どうした、俺。やっぱり動揺してんのか…?
掴まれた腕が、熱い。ついでに顔も。熱が全身を支配する。異様に体が熱い。酒?うん酒のせいだきっと。短時間の内に何回酒のせいだと言い聞かせてるんだ…
意味分かんない俺の体。むしろ瑛。
兎に角黙ったままも息苦しい。この微妙な体勢と空気。妙に長い間…
「…瑛?」
名前を呼んでみたものの、やっぱり無言。
掴まれた腕を振り払う事も出来ずお互い固まったまま沈黙が流れる。
……
……
……ちょっと。何か言ってくれ。お願いします。
そう思った瞬間瑛が口を開いた。
「…こーしさ、悪いけど冗談じゃないから。ホント」
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