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青い草原を豚のように、クリストフはヒョコヒョコと歩いている。
クリストフの背中と胸はミミズ腫れになってジンジンと痛みを感じていた。
そして牧場で男に初めて殴られたこと、自分の命令を聞かなかった事にショックを覚えていた。
『城についたらあの小屋を燃やして、あの若憎の首をジワジワと吊してやる…!』
クリストフは憎しみを込めながら草原を宛てもなく歩いた。
日が陰ってきた。
草原の緑が夕日で赤く染まるころ、クリストフはようやく山間の村にでた。
その時クリストフはハッ!とした。
その村は秋に毎年、鹿猟に来る場所だった。
自分の解る土地に来たクリストフは一気に元気を取り戻し、一目散に村へと走り出した。
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