老人とクリストフ

2/5
前へ
/99ページ
次へ
身も心も張り避けそうだったクリストフは、目に涙を浮かべた。 『……王宮に帰ったら……褒美をとらすぞ…』 老人は首を傾げた。 『面白い人じゃな……。さては堕ちた貴族か何かかな?……まあワシには関係ないがね』 老人はそう馬を引いて馬車にくくり付けて言った。 『ワシはこれから、ミルクを売りに都の市場まで行くのじゃが…お主も一緒にのって行くかのう?』 『アレキサスの都だな!?…勿論じゃ!老人よ、感謝するぞ!…この私に対するお前の功績は、十字勲章物であるぞ!』 クリストフがそう言うと老人は笑い出した。 『それは益々面白いのう……ワシは裸の王様を拾ってしまったのか!?(笑)しかしアンタは今【アレキサス】と言ったが、どのくらい都に行ってなかったかは知らないが、今は【エルドラード】と言う名前になったのじゃぞ』 老人の言葉に、クリストフは耳を疑った。 『エル…ドラード!?……なんだそれはっ!?!?…では、アレキサスは一体!?城はどうしたのじゃ!?』 クリストフに不安な気持ちが走った。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加