老人とクリストフ

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『現在は亡きクリストフ王の後を継いだのは息子の【アントニオ王子】じゃ。…しかしまだ年も9才という若さ故に、大臣達は相談して神官であるバポラットの娘【エリーゼ】と婚約させ、バポラットは国の実権を握ったのだ。 バポラットはそれからアントニオ王子を利用し、自らの【聖なる王国】とするために、アレキサスの名を改名し【神聖エルドラード王国】を建てたのだ。 愚者ではあったが、戦争をしなかったクリストフ王が亡くなってからこの20年、王となったアントニオは次々大陸外への異教を排除するために、この大陸の異教徒狩りを開始し、次々と罪もない人々を殺し、世界征服という戦争を始めようとしておるのじゃ。……今、革命軍も頃合いを待ち、首都エルドラードの奪回をするとか、しないとか……。まあそんな所が今のこの国なのじゃよ』 クリストフは息を飲んだ。 20年…。 自分が目を醒ましてから20年以上も時間が経っていたのか!? 自分が見た夢は本当だった。 魂となり、神の元に召され、【不死の体】を持って再び地上に戻されたのだ。 …そうだ。 これだけ叩かれアザだらけになのに、痛みは……ない! 私は本当に20年後の世界に甦ったのだっ!!!
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