追憶

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『…ようやく目覚めたか………【クリストフ】』 突然、闇の中に声がこだました。 うっすらと光の筋が見える。 『お前は…誰だ!?……ここは一体何処だ!?何もないぞ!!』 クリストフと呼ばれた意識が問いかけた。 『クリファー・サルバドーレ・アレキサス……。お前は魂だけの存在になったのだ。お前は何も見えていないはず。…記憶以外の全てを消滅したのだ』 『バカな!?余が死んだだと…そんな事ありえるか!?………死ぬなんて間違いだろ!?…余は王だぞ!!百年続いたアレキサスの王だぞ!!…誰かいないか!? …アントニオ!?…マータフ!?…ゼメキス!?…返事をしろぉ~っ!!!』 しかし段々クリストフは、見えない世界の中、自分が実体を持たない意識だけしかない存在なのを理解してきた。
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