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僕は紙切れを拾い上げると直ぐ公園から出ることにした。
何かその公園から不気味さを感じとった僕は何もなかった事にしようと自分に言い聞かせた。
帰宅して20分
テレビをつけるが雑音のように耳を走り抜ける。
辺りは邪魔なほど広い壁。
此処ってこんなに広く寂しい場所だったっけ?
ソファーに寝転びながらふとテレビの笑い声が耳に入る。
途端に家族で笑いあった時の事を思い出した。
とてもとても嬉しくて楽しくて
僕の心に安らぎを与えた。
でも
この家を見た瞬間
過去の事だと思い知らされる。
お前は一人なんだと。
現実がまた頭の中を回りだす。
そしてまた僕は声を殺し泣く。
イタい
イタい
誰か……
五月蝿いテレビ。
優しい過去さえも僕を突き放す。
そうやって僕は一生泣かなくてはならないのかな?
そんな僕を否定するかのように声が聞こえた。
「それが嫌なら変えればいい。」
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