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僕は日野 涼太【ひの りょうた】。どこにでもいるような普通の大学生だ。
ちなみに性別は男。通っている大学は商業系の大学でとりあえず単位はある程度キープしている。
今年もやってきたのだ。彼女のいない男たちにとって地獄のような、いや『ような』は最早必要ない。
今年もやってきてしまったのだ、彼女のいない男たちにとって地獄の季節、そう……
クリスマスが。
そう今日はクリスマスイブ。街を歩けばカップルばかりが目につき、これでもかとイチャついている。
……クリスマスなんて無くなればいいんだ。
ボロアパートの一室、一人暮らしをしている自らの部屋で、僕は独り大きな溜め息をついた。
クリスマスイブの日に独りでいることから分かる通り、僕には彼女がいない。
友だちと遊ぼうと思ってもみんな、「悪りい、俺は彼女と予定あるから」ってなるわけだ。
僕は自分の部屋をぐるりと見渡す。
テレビに箪笥、そして勉強机という殺風景な部屋。
奥の方では申し訳程度のキッチンというか、洗面所が顔を見せている。
外は幸せに満ち満ちているのに対し、僕のこの虚しさと言ったらもう……涙がでちゃう。
「あー、もうクリスマスなんて無くなればいいのに」
独り言を口にしたら余計に虚しくなった。
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