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サンタクロースの格好をして、大きな看板を持ちながら笑顔を振り撒いている女の子。
どうしようかな……
やっぱり帰ろうかな……
それとも話だけでも聞いてみようか。
僕は手に持った広告を見つめた。まず『サンタクロースの助手』ってのは何をすればいいのか分からない。
そもそもこれは何なのかも分からない。
一番可能性が高いのは何らかの詐偽とか、ただの悪戯だっていうオチ。
ていうかそれ以外考えられないだろ。
そうだよな、やっぱり帰ろう。
僕がそう思い振り返ろうとした瞬間……
「あーっ、それ私の作った広告じゃん!!
それ見て来てくれたの?」
サンタクロースの格好をした女の子に見つかってしまった。
「じゃあ立ち話もなんだしちょっとこっち来てよ!」
「あの、僕は違っ……」
女の子は無理矢理、僕の腕を掴むと一つの建物へと連れていった。
ま、まさか、そこには怖いお兄さんたちが一杯いるのでは!?
僕は自分の人生の終わりを感じ、興味本意でここまで来てしまったことを後悔していた。
……へ?
でも、ここってアパート……だよな?
そこは僕の暮らすアパートよりも少しだけ立派なアパートだった。
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