聖なる夜

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    「簡単に説明すると、私は今年からこの地区のサンタクロースを担当することになったの」     ちょっと待て。     「去年までは私のおじいちゃんがやってたんだけど、歳には勝てなくて去年で引退、それで今年から私が担当になったわけ」     ちょっと待ってください。    「それで私、今年が初仕事じゃん? だから助手が一人欲しいなぁって思ってあの広告を書いてみたんだけど……」     「ちょっと待って」     急に黙る女の子、えーっと確か鈴ちゃんだっけ?     「それマジで言ってんの?」     「もちろん!! だからさぁ、助手頼んでいいかな?」     「やっぱり帰っていい?」    「なんで!?」     「だってサンタクロースなんて空想上のものに過ぎないだろ?」     「いやいや実在するんだなぁ、これが」     僕の危険感知センサーが危険信号を発している。   うん、この女の子はヤバイ。いろんな意味で終わってる。     「まず、サンタクロースって具体的に何をするの?」    「子どもたちにプレゼントを配るに決まってるでしょ?」     そんなさも当然みたいな言い方されても…… 言っときますけど、常識がないのは僕じゃなくて君の方だよ?
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