初めてサンタになった時

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「ねぇ、槙はこうたみたいに消えないよね。」 「あぁ、消えないさ。俺はそんなヤワじゃないぜ。」 僕だってヤワじゃないよ。 「ならいいんだ。」 僕は半分喜び、半分悔しがった。蘭が幸せになってよかったけど、これからは僕の蘭じゃなくなるんだ。 そんなことより、明日は願いを叶えなきゃ。何にしよう。 悩んでいると目の前に親子がいた。 「ねぇ、今年はケーキ食べられる?」 「ごめんね。今年もケーキはないの。」 「なんで?」 「ごめんね。ごめんね。」 母親は泣いていた。やっぱり貧しいクリスマスはかわいそうだ。 そうだ!今年はケーキを食べられない子供みんなに大きなケーキを出してあげよう。 これが僕の初めての仕事だ。
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