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昭和21年5月4日
あの人は生まれた
俗に言う戦後だ
あの人の親父 すなわち俺の爺さんは運良く戦争から生き残った1人だ
爺さんは戦後 本州からまだ機雷が浮く津軽海峡を渡り 北海道へ
詳しい経緯は知らないけど何故か網走に
その網走であの人は次男として生まれたのだ
兄弟は4人
兄 妹 弟
体が小さくて弱い子だったくせにヤンチャ坊主
いつも喧嘩に明け暮れ 顔がぼこぼこで帰宅する事は日常茶飯事だったとか
すると あの人のお袋… 俺の婆さんは決まってこう聞いた
『勝ったか?』
すると あの人
『俺が負けるわけないべや!』
そんな日々だったそうな…
この頃は 某三丁目映画じゃないけど テレビの出始め
まだ 近所にテレビがあるリッチな家は少なく 見るとすればテレビの放送アンテナがある山のてっぺん
そこにNHKの分局みたいなのがあったとか
1~2時間かけ 徒歩で力道山のプロレス中継を友達と観に行ってたそうな…
そんなあの人もやがて高校時代を迎える
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