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旅人「パルプ君は一週間経ってやっと帰って来ました」
旅人「彼は別に怪我をした訳でも、道を間違えた訳でもありませんでした」
旅人「でも薬草は持っていませんでした」
旅人「村人は聞きます。『一週間もの間森で一体何をしていたんだ?』と」
旅人「そこでちょっとタイムだ」
僕「タイム?」
旅人「ああ。なぁ、君はどうしてパルプ君は森を出るのに一週間も掛かったんだと思う?」
僕「うんーと、そうだな~~」
僕「きっと怪物と戦ってたんじゃないかな。パルプ君は」
旅人「ほぅ。怪物か」
僕「だって呪いの森でしょ。きっと強い怪物が、パルプ君の前に、何人も立ちはだかったんだよ」
旅人「ハハ、面白い話だね。でも一ついいかい?」
僕「ん?」
旅人「パルプ君は、結局薬草は取れなかったんだよ? それはどうしてかな?」
僕「ん~と、ちょっと待って」
旅人「…………」
僕「分かった!! きっと、凄い強い怪物がいて、頭のいいパルプ君は、もっと強い武器を持って来てから挑もうと思って、それで帰ったんだよ」
旅人「そうか。うん」
旅人「君は、凄い想像力を持つ子だね。なんだか、そのお話は楽しそうだな」
僕「そうでしょ。へへへ」
旅人「でも残念ながらハズレだ」
僕「え~~。ハズレか……」
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