プレゼント2

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「えっと……つまり、帰る家も無く、公園で会ったレオナルドを追ってこの家に来ちゃったと?」 笑顔を試みて駆が尋ねる。 「は、ハイ!そうです!」 佑奈は反る位に背筋を伸ばして応えた。余程緊張しているのか所々で声が裏返っている。 少し気まずい空気を流し続ける二人は恐らく一級の品と思われる木製のテーブルを挟んで対峙する状態にあった。 そして二人が腰掛けるソファーも恐らくは相当の値が張りそうな物。 前当主であった天宮夫妻が過度の見栄っ張りだったのが主な理由である。 この屋敷の外装内装、家具等々は全て一般人が驚愕する様な高級品が揃っているのだ。 駆はそんな両親の残した財産の中で暮らす事に時々息が詰まる思いをしている。 二人がいるのはそんな無駄金豪邸の中の一室。 「佑奈さんの概ねの事情は解りましたよ。じゃあ、とりあえずまずは………」 そう言って立ち上がる駆。 ………の服の裾を慌てて掴む佑奈。 テーブルの上に倒れ込む格好が滑稽だ。 「ま、待ってください~~!」 「な、何ですか!?」 駆は佑奈の突然の奇行に素っ頓狂な声を上げてしまった。 倒れた体勢のまま首だけを上げ、駆の顔を見上げる佑奈。 ギュッと裾を握ったまま。 「お願いします! 通報だけはやめてください! すぐに帰りますから!何も盗ってませんし、迷惑ならすぐ帰りますから!だから……」 懇願する佑奈の目は微かに潤んでいた。
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