プレゼント1

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僕に少しの財産と豪邸を残して死んでしまった。 一応学生なので学費がかかるのだが、生活費も含めて叔母さんが仕送りをくれる。 お陰でバイト等もせずに生活出来るのは有り難いが仕送りが日にちも額もテキトーなのが困る。 二日置きに宝くじに当たったかの様な金額が来る時もあれば、数ヶ月間音沙汰無しだった揚句に数百円が来たり……… あまりに少ないと叔母に文句を言った事もあったが 「少年よ、人間は水だけでも一週間は生きられるのだ」と突き返された。 まったく、そのいい加減な性格さえ直――― 「少年、人間とは以外と簡単に壊せるものだ」 そんな指をパキパキ鳴らされると怖いのですが。 「とりあえず、これは今回の仕送りとしよう」 封筒が随分と分厚いです。 有り難いですけどね。 「そして今日はクリスマスイヴだ。 これで何か美味しい物でも買うんだ」 そう言って、先程の封筒の三倍はあろうかという封筒を渡して来た。 「こんなに!?ありがとう叔母さ――」 「ちなみにそれはレオナルド用だ」 「………はい」 令は床に投げた鞄を拾い、ドアに向かう。 「あ、そうだ 一応言っておくが! レオナルドに何かあったら……分かってるな?」 「……具体的には?」 「昨日造ってみたのだがな。 少年はアイアンメイデンとは知っているか?」 「命を懸けてレオナルドの世話させて貰います!!」 「大変よろしい、では行ってくる」 レオナルドと一緒に手を振って叔母さんを見送った。 「……こんな金…どっから?」 僕はポケットから先程渡された分厚い茶封筒を取り出す。 昔、叔母さんに仕事を聞いた事があるが 「悪の戦士だ」 とか 「知ってどうする。 そんな事考えてるなら勉強しろ。 少年よ野望を抱け、 ボーイズ ビー サクリファイスだ」等とボカされた。 今考えてみると……サクリファイス…… 『少年よ、犠牲となれ』 って、えぇぇ~!?
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