プレゼント1

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―笹神佑奈― 「あぁ~~、どうしよう!」 佑奈は公園のベンチで俯いていた。 真冬の夜、コートも着ないで来たのは辛かった。 「まさか……まさか借金取りが来るとは……」 佑奈は一人暮らしをしていた。 失踪した親が残した借金を地道に返しながらの生活だった。 しかし今日、とうとうアパートを追い出されたのだ。 厳密に言えば………いや、あまりにリアル過ぎて書けない。 「とにかく、しばらくは隠れなきゃ……」 佑奈が顔を上げた時、冷たい物が頬に触れた。 「………雪……降って来ちゃった」 日も暮れて真っ暗になった公園には佑奈以外には誰もいなかった。 「うぅ……」 佑奈の目から自然と涙が零れる。 「寒いよ……」 その時、公園へ一匹の犬が来た。 「ワンワンワン!」 そして佑奈を見つけると一直線にトコトコと走って来た。 「ワンワンワンワン!」 「ダックスフント? どっかから逃げて来たのかな……」
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