プレゼント1

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突然ダックスフントが佑奈の膝から飛び降りた。 「ワン!」 「あ、ちょっと!ワンちゃん、どこ行くの!」 ダックスフントが佑奈の方を振り向きながらトコトコと走る。 佑奈にはその姿が自分に着いて来いと言っている様に見えた。 「待ってよ~!」 どんどん先を走るダックスフント。 それを必至に追う佑奈。 不意にダックスフントが足を止めた。 そして佑奈の方を向いて吠える。 「近くにこんな大きな家があったんだ~」 佑奈は目の前にそびえ立つ少し古びた洋館を見上げ感嘆の声を上げた。 カチャリという音で現実に戻り、ダックスフントを見ると屋敷の裏口と思われる扉から中に入っていくではないか。 「ワンちゃん!?ここ君の家なの!?」 ダックスフントがまた佑奈を振り向く。 「クゥーン」 そして中に消えてしまった。 「いくら門もドアも開いてるからって勝手に入ったら不法侵入だよね?」 不安げに両手をを口を当てる佑奈。 「やっぱり勝手に入るのは………」 ぐぅーー 不意に佑奈のお腹が鳴る。 そして自分が昼食も夕飯も食べていなかった事を思い出した。 「………少し暖まるくらい許されるよね?」
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