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宅配業者に怯えていたとでもいうのか。
いや、まさか。宅配業者の「このでかい荷物何?」の無言の重圧に耐えきれなかっただけだ。
僕はダンボールを部屋の中に運び入れると、テープを切って中を開いていった。
「こわれもの注意」の張り紙に今更ながら気をつけて、とうとう待ち焦がれた愛玩具と対面を迎えた僕は、意味不明な程、プルプルと震えていた。
「うぇるかむ!」
七畳ワンルームのアパートに響き渡るスマート紳士の声、もとい無職童貞の震えた声。
愛玩具は、何も言わず、ただ目を閉じたままの状態で横たわっている。
そそくさと説明書を取り出した僕は、「起動方法」を読むことにした。
「起動には20桁のシリアルナンバーが必要です」
シリアルナンバーは…と。
説明書の裏に記載されているシリアルナンバーを…。
「シリアルナンバーは、当製品の耳により音声認識されるようになっています…か。耳元で囁けばいいんだな…」
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