愛玩具

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「ユメー!」 朝母親が中学生の息子を呼び起こすように――クラスでも目立たない眼鏡っ子の腐女子が古本屋で見つけた黒魔術の本で悪魔を召還するように――大体そんな感じに僕はユメを呼んだ。 沈黙。 「あれ?おい?ちょ待てよ!」 昔流行ったらしい某アイドルの台詞をパクりながら、華麗にキレてはみたが、冷静に考えてみれば無職童貞のオッサンが機械に向かって話しかけているのは不気味でしかない。 そう冷静になった数秒後――ユメはグラビアアイドルのようなボディのまま、赤ん坊のようにハイハイを始めた。 「赤ちゃんプレイ?」
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