9053人が本棚に入れています
本棚に追加
「赤ん坊と同程度って?何も知らんってことかいな?」
ツーテンポほど遅れて、エセ関西弁が復活。サポートセンターの敏腕は「左様でございます」と繰り返した。
「赤ちゃんプレイから一刻も早く脱出したい場合はどうすればいいの?」
「その場合は、愛玩具に新しく言葉や行動を教えるようにして下さい。詳しくは説明書をお読みいただければ…」
サポートセンターの敏腕が話している途中で電話を切ると、僕は説明書にヘッドスライディングを決めた。
「セーフ!セーフ!」ランナーと審判の一人二役。その周りでユメは相変わらずハイハイをしている。
赤ちゃんプレイも悪くないか…などと思ってはみたが、それは赤ちゃん役になるのが僕だったらの話…だとやはり考え直した。
「愛玩具を…ふむふむ…起動したら…ふむふむ…ふむふむ…」
そのうち、ふむふむ教から勧誘が来てしまいそうなほど「ふむふむ」を繰り返していることに気がついたのは、説明書を読み始めて一時間あまりが経過した時のことだった。
最初のコメントを投稿しよう!